kiroku

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日々の記録

春の別れ

 

長い間会えていなかった大切な人が今年の春に亡くなっていたことを知って言葉にできない気持ちを抱えている。

日常で思い出すこともなかったような想い出が急に湧き出して、過去の幸せに気づいて悲しくなっていく。本当に大切な人だったのに、ずっと会えていなくて、会いに行けなくて、気づいたらもうこの世にはいなくて、思い出を大切にするしかなくなった。

お墓参りに行っても、花を供えても、死んだという実感がない。ずっと一緒にいなかった分だけ、今もどこかにいるような気がしてる。当たり前に存在していると思って過ごしていた時間のせいで、死んだことへの理解が追いついていない。

そっか、人って死ぬんだよね。年齢とか関係なく死ぬんだよね。って当たり前のことを今更。

声も曖昧にしか思い出せない。笑顔とか、日常の一瞬とか、それくらいしか思い出せない。それもぼんやりしていて曖昧な思い出。思い出せないことに涙が出てきて悔しい。

 

死ぬ前に会いたかったと思う

会えていたとして何を話すか迷うだろうけど。

元気?とか体に気をつけてねとか、どんなふうに過ごしているのとか。

ただ生きているうちに、その姿を遠くからでも見ることができたらよかった。

 

亡くなったことをあっさりと受け入れたみたいに、そんな風に見えているかもしれないけど、本当は受け入れられなくて、すごく悲しくて、後悔ばかり込み上げている。生きている気がするくらいの感覚や距離感の方が失った時の辛さも優しい人かもしれない。